綺麗な女の子の長い髪

(7月18日の続き)ある日の午後、広島へ向かう新幹線の中で、私の隣には見知らぬ綺麗な女の子が座っていた。彼女は、白のブラウスにライトブルーの薄いカーディガンを羽織って、濃紺の細身のパンツをはいていた。私は弁当を食べ終わった後、週刊誌を読みながら二本目の缶チュウハイを飲んでいたのだが、時折、左側から微かにレモンの匂いが混じった様な甘い女性の香りが漂ってくる。チラッと横を伺うと、彼女は僅かに顔を俯けて両手を膝の上に投げ出していて、どうやらうたた寝をし始めたようだ。
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そして、新幹線が岐阜羽島を過ぎた頃、ふと何かが近づいて来るような気配を感じた。私は、読んでいた週刊誌から目をはなして、そっと左の方に視線を移してみると、横に座っている彼女の上体が、大変ゆっくりだが、徐々に近づいて来ているのだ。『んんっ、なに?』と一瞬、目を疑ったのだが、瞬きしながらじっと見ていると、彼女の体はさらに傾いて来て、とうとう私の左腕に寄りかかって来た。ここで問題です。あなたが男性だとして、例えば電車の中などで、居眠りを始めた隣の席の見知らぬ女性が自分に寄りかかってきた場合、その人が仮に『森三中』のような女性だったとしたら、どうするだろうか?年代とか個人的な好みは有るだろうが、大体の男なら、自分の体を揺するとかして、その人を起こすのではないだろうか。しかし私は、そうしなかった。何故なら、隣に座っている女性は、内山理名とか加藤綾子アナにも少し似ていたのだが、かなり気の強そうな、それでいて知性的でとても綺麗な二十歳ごろの女の子だったのだ。
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私が鼻の下を伸ばしている内に、今や彼女の上半身は完全に私の体に寄りかかって来て、彼女の柔らかな重みと共に体温までが私の左腕に伝わってくる。『う~ん、なんとなく気持ちよくて、いいなあ(^O^)』と心の中でほくそ笑みながら、しかし、そのまま彼女をじっと見ている訳にもいかないので、私は、また週刊誌を読み始めた。すると、彼女は完全に寝入ってしまったようで、ますます体を私の方へ預けて来て、彼女の頭の重みが私の肩にちょっと痛いほどの圧力となってのしかかって来だしたのだ。それでも、まあ、イヤな訳ではない。その時、ふと、周囲の他の乗客が、『なんなんだ、あの二人は?』という疑わしい様な、羨ましいような目付きで自分達を見ているのに気が付いた。そりゃそうだろう、若い綺麗な女の子が、何処にでもいる様なありふれた中年のおっさんに、抱きつくようにしてベッタリ寄り添っているんだから。
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通りかかった車掌までもが、わざわざ振り返って見ながら、『なんだ、こりゃ?この二人は親子にしては、全然似てないし(完全な赤の他人だから)、カップルにしては年が離れすぎている様だし、何なの?この二人は』といった視線を投げかけて来る。『しょうがねえじゃんかよ、寄りかかっているのは、この女の子の方なんだから』と思いながら、私はなるべく姿勢を変えない様に注意して、彼女を起こさない様にしながら、頭の中で疑似恋愛というか妄想恋愛に陥り始めた。しかし、更に事態は変わってくる。彼女の微かな甘い体臭とコロンの匂いとともに、長い髪までがサワサワっと私の頬をくすぐり始めたのだ。頬と柔らかな腕から伝わって来る彼女の体温、かすかに聞こえて来る彼女の寝息と甘い香り、その上、細く軽いフワッとした黒い髪が私の頬を撫でる。『うっ、こりゃぁマズイんじゃないの?俺のお○ん○んがスタンドアップ(正しくはイレクトですが)しそうだぜ』つづく、。

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